研究課題/領域番号 |
16760121
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
流体工学
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
三角 隆太 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助手 (40334635)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 撹拌 / 晶析 / CFD / 結晶摩耗 / 核発生 / 乱流 / 固液混相流 / ドラフトチューブ / 結晶成長 |
研究概要 |
本研究では、化学・医薬品工業での代表的な分離操作の一つである晶析操作について、結晶製品の高度な品質予測・制御方法の構築、生産性の向上を目指して数値流動解析およびモデル実験を行った。得られた知見は以下の通りである。 (1)「撹拌翼・邪魔板・槽壁と結晶の衝突に起因する二次核(微結晶)の発生現象」に関して、数値流動解析により撹拌槽内の乱流状態・粒子挙動の定量的な評価を行った。その結果、結晶の衝突頻度、衝突エネルギーは撹拌翼の回転方向に対して前面側で大きな値となり、翼裏面や邪魔板、槽壁に対するそれらは無視できるほど小さいことがわかった。得られた衝突に関する統計データをもとに、結晶摩耗による粒径変化を確率論的に解析する手法を構築した。これにより通常の流動解析では再現が困難な数時間にわたる結晶摩耗現象を実用的に十分な精度で再現することが可能となった。 (2)「溶質の局所的な過飽和度の増大に起因すると予想される一次核発生現象」に関して、適切な温度処理のもとでは、一次核の発生温度と撹拌翼回転数との間に正の相関関係があり、さらに撹拌所要動力との間に正の比例関係があることがわかった。これらの知見は、一定の温度条件下においては既存の晶析装置において何ら付加的な設備を用いずに核発生を制御できる可能性を示すものであり、今後実生産現場での応用が期待できる。 (3)「高懸濁濃度条件における結晶の浮遊分散現象」に関して、ドラフトチューブ(DT,案内円筒)の最適操作条件の検討を行った。その結果、ドラフトチューブの内外水平断面積比が60%となるようにDT径を設定し、下吐出流れのプロペラ翼を組み合わせることで、大粒径、高懸濁濃度の条件においても低動力で良好な固体粒子の浮遊分散・循環を達成することができ、その動力は汎用されるディスクタービン翼と比較して6分の1にまで低減できることがわかった。これらの知見を活用することで、通常取り扱いが困難とされる重量濃度60%、平均粒径数百ミクロン程度の晶析条件においても粒径分布が狭い良好な結晶生産が達成できる可能性が示された。
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