研究課題/領域番号 |
16760144
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
流体工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
後藤 晋 京都大学, 工学研究科, 助手 (40321616)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 乱流 / 混合 / 秩序構造 / 渦 / よどみ点 / 慣性粒子 |
研究概要 |
十分に発達した乱流中には秩序だった管状の渦構造が自己相似な階層構造をなして存在する。すなわち、半径が乱流のコルモゴロフ長程度の微細な秩序渦から、半径が積分長程度の大規模渦構造までさまざまなスケールの秩序渦が、重なりあって存在している。この秩序構造の多重スケール性こそが、乱流の強い混合や拡散の起源であることを明らかとした。すなわち、各階層の秩序渦構造のそれぞれが乱流に移流される物質塊を引き伸ばし折り畳み、したがって物質の混合が各スケールで同時に進行するために、全体として極めて強い混合が生み出されるのである。同様に乱流による強い拡散の起源も、この秩序渦の階層構造のはたらきとして説明することができる。 興味深いことに乱流には物質を拡散するはたらきと同時に物質を凝集するはたらきもある。たとえば乱流からストークス抵抗のみを受けて移流される微小な重い粒子群は乱流中でクラスタを形成する。これらのクラスタは従来は最小スケールの秩序渦によるものであると理解されてきたが、我々の研究によれば、こららのクラスタもまた自己相似な階層構造をもつ秩序渦による効果として説明され、またその証拠としてクラスタが自己相似な性質をもつことを示した。 さらに、これまで主に数値シミュレーションによって得られた以上の知見が現実の装置内での混合・輸送現象にも適用可能であることを示すために、歳差運動をする球体を用いた乱流混合の室内実験装置を提案した。今後は、これまでに開発してきた乱流混合のシミュレーションと、この新しい装置を用いた室内実験とを併用して、本研究課題でこれまでに得られた乱流混合や輸送現象に関する知見をさらに発展させていく。
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