研究概要 |
近年,小型電子部品組立,医療,生物,製薬など多岐に渡る分野において,人の手を介さずに,大量処理,繰り返し処理,高速・高精度処理を可能にする微小物体操作手法の開発が望まれている.本プロジェクトでは,細胞インジェクションに着目し,力学的観点から人間の優れた情報処理能力を解析することを通じ,微細物操作において必要な技能を解明することで,微細物操作の自動化を目指す.以上のような目的のもとに研究を行い,以下のような成果を得た. 1.マイクロインジェクションの操作中において,細胞に加わる力を計測可能な高感度力センサを半導体ひずみゲージを用いて開発した.また,この力センサを用いて細胞操作ならびにインジェクション時に加わる力を計測し,その結果の解析を行った. 2.ホールディングピペットは,インジェクション時において細胞を把握するために用いられる.細胞の把握は空気圧による吸引により行われる.操作者は手元にあるシリンダ内の圧力を操作することによりホールディングピペット内の空気圧をコントロールする.このホールディングピペットで細胞を操作する際の吸着力を高感度に計測できるシステムを開発した. 3.エンドエフェクタを振動させながら,細胞などの微細物を把握する場合の凝着力緩和現象の解明・解析を行った. 4.物体を把握する際の最適な把握位置探索手法を開発した. 5.能動受動混合拘束状態にある物体把握系の力学的解析を行った. 6.触覚センサ設計のためのデザインパラメータを提案し,デザインパラメータに基づいた設計指針について解析を行った.
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