研究概要 |
本研究は,マイクロ水力発電・高効率小型風力発電システムの開発と系統連系技術である。本研究では,主に3つのことを中心に実施した。i)高効率風力発電システムの開発 ii)マイクロ水力/風力発電機の開発 iii)マイクロ発電システムの系統連係である。 高効率小型風力発電システムについては,風力発電の発電能力向上のために,風を集める集風装置を開発し,その有効性を計算機シミュレーションとフィールド試験にて示した。 具体的には,定格20Wの小型発電機に拡大型の集風装置と縮小型の集風装置を作成した。 その結果,計算機シミュレーションでは,約1.7倍の発電能力の向上を示した。またフィールド試験結果は,約1.3倍の発電能力の向上が見られた。この理由としては,集風装置により風が集められて,風が加速するとともに,集まった風により集風装置の気圧が低下し,風が流入しやすくなったためと思われる。 マイクロ水力発電では,まず水車の回転内部に小型発電機を導入するダイレクトドライブ型の水力発電システムを構築した。具体的には,直径1.7m,12段からなる上かけ水力発電システムである。ここで,容量は5.5リットルである。この装置は,発電機を内部に導入したことにより,装置設置面積が低減しこれまでの設備よりも設置しやすいものと思われる。次に,極数変換型発電機を開発している。この極数変換を実施することにより,極数変換できる数と等しい数の特徴を有することができる。具体的には,低速域から高速域までの幅広い回転数を守備能力とすると共に,最大出力点も複数有する。従って,これまでの発電機と比較して,低速域あるいは高速域でのエネルギー回収能力が向上している。 さらに,これら発電システムと系統連系をスムーズに実施するために,発電電力を一時,電気二重重層に蓄電させ,ある程度発電容量を満たしてからポンプアップし系統に送りだす検討も実施をした。
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