配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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研究概要 |
残響は室内壁面に繰り返し反射された音が音源からの直接音に積み重なったものである.この反射音は音に広がりや奥行きを与え,高臨場感通信や仮想現実感(Virtual Realty)システムではこの特性を人工的に付加することが求められている.しかし,音声認識や拡声会議通話では,室内反射音は音源波形に歪みを与え音源波形の特徴を埋もれさせる.そのため,室内音場で観測された残響波形から原音声を回復する逆フィルタ処理が検討されている.このような送受音関係が成立する音場では線形システムで近似できることが明らかになっている.そこで、残響音声の局所的なスペクトル歪みの影響を取り除くのではなく包絡線情報による残響音声回復の可能性を検討した.MTFは音声了解度を評価する物理量の1つである.MTFを用いて残響音場における観測信号の歪みとパワーエンベロープ逆フィルタ処理を検証した.検証実験では残響時間が異なったインパルス応答に音声波形をたたみ込みこむことにより,各残響音声を計算した.一般に,残響音声では残響時間の増加に伴って,音声の無音区間がなくなり,次第に音声が歪んで観測される様子が確認できた.この歪みをMTFの理論モデルに基づいた変調雑音信号で検証した.変調度回復実験を行い,残響による観測信号の変調度と回復信号の変調度の関係を明らかにした.この残響音声回復実験では,残響音声から原音声の無音区間を復元できることを確認した.
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