研究課題
若手研究(B)
宇宙空間の応用は、人工衛星を利用した測位や環境モニタリング、現在計画中の宇宙太陽発電所など様々な目的のために拡大しており、地上-衛星間の電波伝搬環境の詳細な把握が必要とされている。高度数100kmまでに存在する電離層に関しては、さまざまな方法で調査が進められているのに対して、その外側をドーナツ状に取り巻く「プラズマ圏」と呼ばれる広大な領域は地上からの直接観測が困難であり、科学衛星による観測にゆだねられている。特に電波伝搬に直接影響を及ぼす電子密度は、その分布が比較的短時間にダイナミックに変化することが知られている一方で、単独衛星の観測では時間変化と空間変化が切り分けられないという問題があった。本研究では、日本の科学衛星「あけぼの」で観測された超長波の電磁波動を利用して「プラズマ圏」の大規模な電子密度分布をリモートセンシングするアルゴリズムを開発し、地球周辺のグローバルな電子密度分布の構造を推定できるようにした。本年度は、特にあけぼのWBA観測装置のデータを自動処理するシステムの開発に成功し、系統的に電子密度分布が求められるようになった。この結果、地球周辺の電子密度分布の大規模データセットの構築が進められている。一方、観測時間や衛星軌道の制約のため得られる分布が時間的・空間的に不完全であることから、「あけぼの」単独のデータからでは全パラメータ空間を網羅した解析モデルを構築できないという問題が残されている。今後は、推定された電子密度分布のデータセットと拡散平衡型のシミュレーションモデルを併用することにより、信頼度を維持したまま時間的・空間的に補間を行い、各種パラメータ依存性を明らかにしてゆく必要がある。
すべて 2006 2005 2004
すべて 雑誌論文 (7件)
電子情報通信学会論文誌 J89・B(7)
ページ: 10-10
110007378860
電子情報通信学会論文誌 未定
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Proc. of the 2004 International Symp. on Antennas and Propagation Vol.1
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