研究概要 |
本研究では,橋梁に壁高欄を間欠的に設置することによって,剥離流の三次元的な挙動を作り出し,非定常流体力を低減する手法について,剥離流れの三次元性と流体力の変化を数値流体解析と水槽実験との両面から検討した。平成16年度は偏平長方形断面周辺流れの三次元性についてLESによる数値流体解析と水槽実験による可視化実験にPIVによる流速測定を取り入れて,非定常流耐力低減効果について検討を行った。平成17年度は,より実物に近い形状(偏平6角形断面)の桁について,壁高欄の間欠設置間隔と長さをパラメータとして非定常流体力の低減効果について検討した。 (1)LESによる数値流体解析 連続体力学ソフトウェアライブラリFOAMを用いたLES解析プログラムで,偏平6角形桁断面の解析を行い,既存の数値解析結果や風洞実験結果と比較し数値解の妥当性を確認した上で,壁高欄の間欠設置間隔と長さをパラメータとして検討し,LES解析による流れの可視化と流体力の算出を行った。 (2)高欄周辺の剥離流の可視化実験 水理実験用固定水路で流れの可視化実験を行った。PIVを用いて瞬間流速を求め,桁前縁からの剥離した流れが,高欄の上を乗り越える流れと高欄の横を過ぎる流れに分かれ,高欄の後方で複雑に干渉する様子が確認できた。また,可視化実験結果と(1)の数値解析結果と比較を行い,両者の結果が同様な流れ場となっていることを確認した。 数値流体解析と水槽実験の両方で,間欠設置した壁高欄による流れの三次元的な動きを確認した。また,数値流体解析結果から,偏平長方形断面と同様にある特徴的な長さの間欠設置壁高欄により,非定常流体力が低減できることを確認した。
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