研究概要 |
K形ブレースの交点の大梁に小梁や火打ちなどの横座屈補剛材が設置されておらず,大梁の構面外移動が可能な場合を対象として,座屈拘束ブレースの芯材が塑性化後に塑性座屈モードが形成されることを言及した.大梁の構面外移動を水平バネでモデル化し,このモードが生じないための水平バネ剛性の必要値を提示した.水平バネ剛性の必要値の妥当性を確認するために,昨年度実施した実験と同じ載荷装置を用いて単材による載荷実験を行い,以下の知見を得た. 1.水平バネ剛性が必要値に近づくと,すべての試験体で塑性座屈モードを形成した. 2.水平バネ剛性の必要値は,2割〜3割程度危険側の評価となる場合がある.したがって,バウシンガー効果や初期不整などの影響を検討する必要がある. さらに,柱・梁で囲まれる1層1スパンの部分的な平面構面に座屈拘束ブレースがK形配置された試験体について載荷実験を行い,以下の知見を得た. 3.大梁の構面外移動を水平バネにモデル化する場合の剛性の評価に関して,横座屈補剛材の位置や大梁の断面に応じた算定式を構築し,大梁を構面外移動させる載荷実験によって妥当性を確認した. 4.平面構面に水平荷重を繰返し載荷して,水平バネ剛性の必要値と大梁の構面外移動が顕著になったときの大梁の剛性を比較し,提示した水平バネ剛性の必要値の妥当性を確認した. 上記の実験結果を踏まえて,接合部のディテールに応じた剛性の評価方法を構築し,構面外座屈防止設計法を構築した.
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