研究課題/領域番号 |
16760490
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
都市計画・建築計画
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研究機関 | 兵庫県立大学 (2005) 広島大学 (2004) |
研究代表者 |
宇高 雄志 兵庫県立大学, 環境人間学部, 助教授 (80294544)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 歴史的な町並み / 空き屋 / 高齢化 / 歴史的町並み保存地区 / 地域活性化 |
研究概要 |
本研究の目的は、歴史的町並み保存地区における空き屋問題を解決することにある。そこでは、深刻さを増す伝建地区の空き屋化問題を学術的に解析するとともに、我が国の町並み保存事業において、活用できる提言を目指す。 我が国の歴史的町並み保存地区における空きや発生要因を把握するべく、全国の町並み保存地区に対するアンケート調査を行い、これにより伝建地区における空き屋の発生の状況と、それに付随してみられる高齢化や建物老朽化の状況を把握した。併せて、各地区における空き屋化に対する対策を把握した。これを従前より独自に継続中の調査結果と併せて経年変化を分析した。 加えて昨年に引き続き、インタビューをおこない、先進的な取り組みに関係した問題把握を行った。また歴史的遺産の保全について、これと観光産業の持つ問題点を把握するために研究集会などに参加して事情の把握につとめた。 研究結果では伝建地区における空き屋化の現状では、地区の高齢化の進行が極度に進行した地区においては、一時時期に空き屋化が進み、維持管理が困難になる危機的な状況が現れることがいえる。加えて、全体の推移に注目すると、最近5年程度の期間は高齢化の進行がみられながらも空き屋化率が一定の水準で抑制されている地区が多いが、それが2005年に極度に高齢化率が低下しつつ、空き屋化の傾向が増している。この傾向は限られた地区にみられる傾向ではない。 故に、我が国の伝建地区における空き屋化の動向では、これまで地区の高齢化によって一定の水準で空き屋の急増を抑制する傾向にあったが、これが人口減少に転じることによって、空き屋化の急増を招くこれまでとは異なるステージに進みつつあると指摘できる。 今後は、これらの事象に着目しつつ、空き屋化の大量発生を予防する方策と、現在多くを抱えている地区の大量発生後の対策について具体的な検討を行っていきたい。
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