研究課題/領域番号 |
16760495
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
都市計画・建築計画
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
鈴木 健二 鹿児島大学, 工学部, 助手 (30363609)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 離島 / 高齢者 / 地域通貨 / 住民主体 / 共助 / 生活支援 / 地域ケア / 廃校改修 / NPO |
研究概要 |
本研究の概要は以下の通りである。 まず、地域通貨の活用により地域ケアの構築を図ろうとしている事例について研究を行った。対象は長崎県崎戸町(現西海市)の地域通貨「さんさん」である。調査の結果から地域通貨の参加者は、してあげる事が多い「提供型」としてもらう事が多い「依存型」という2つのタイプに分ける事が出来た。この両者の視点に立って分析を行う事で、「高齢者に対する生活支援」の有効性と共に、「地域住民による地域貢献」という効果が見出されたが、そこでは特に町内での居住歴が短い人も積極的な活躍を見せており、地域通貨の活動が地域の中に溶け込んでいく上での受け皿としての役割も果たしている事が示された。その一方で、「提供型」の一部の参加者に仕事が集中し、地域通貨の流通が偏っているという問題点も明らかとなった。地域全体による助け合いという理念を実現するためにも、サービスの担い手をより多くの参加者に拡げていく取組みが必要だと思われる。 次に、地域住民が主体となって廃校校舎から小規模高齢者施設への転用を行った事例について研究を行った。対象は鹿児島県屋久町のNPO「サポート&ケア屋久島」である。離島の施設配置について考察した所、屋久島は少数の高齢者施設が偏在しており、遠くに住む在宅高齢者は非常に不利な条件下に置かれている事が示された。また、高齢者施設への転用プロセスと開設後の利用状況について考察を行う事で、転用の円滑な進行を妨げている要因と、在宅高齢者の生活に及ぼした効果が見出された。廃校改修については文科省により全国の活用事例も報告されているが、その殆どは公的資金を財源に整備が行われており、転用後の用途も教育委員会が所管となる施設に大きく偏っている。その意味では、公的資金に財源を頼ることなく地域住民が主体となって地域に必要な施設を実現させた本研究の事例は、社会的にも非常に意義深いと考えられる。
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