研究課題/領域番号 |
16760517
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築史・意匠
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
中江 研 神戸大学, 工学部, 助手 (40324933)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 有機的建築 / フーゴー・ヘーリング / ドイツ / 近代建築 / モダニズム |
研究概要 |
生物学者エルンスト・ヘッケルが生物もその原初は鉱物的結晶と同源のものから枝分かれしたものだとするモニスム(一元論)を唱えたことにより、「有機的」という言葉は生物的形態もしくは生物とのアナロジーを超え、水晶などの鉱物の形態に対しても適用されるようになる。その一例が表現主義に分類され鉱物結晶に建築の原型をみるベンツェル=ハブリックの言説に伺える。ル・コルビュジェは「輝く都市」において生物を機械としてとらえた生物学の書物からの引用を掲載しており、一方CIAMにおいて基本となる建築観でそのル・コルビュジエと論争したフーゴー・ヘーリングはオルガンハフトな建築、すなわち器官のような建築をめざすことを主張する。ヘーリングは1920年代初めごろまでは生物の形態を模倣して建築形態をかたちづくることを試みている。しかし1920年代後半から30年代初めごろにかけては、形態の問題としてではなく、人間をひとつの生物として見、その生存するための条件を追及するという計画原論的、環境工学的なものに立脚して制作をおこなうようになる。このころには生理学、衛生学、また心理学の発展にともない、建築においてもそれらの適用がもくろまれようになっていた。これはマルティン・ヴァグナーの言説にも見られる。1931年、ヴァグナーにより『成長する家』設計競技が企画され、彼はそれを取りまとめて1933年に出版している。その中では「住の生物学」という言葉も用いているが、それはひとことで言うならば、それをつかう人間というひとつの生物を安んじ、十分な休息を与え、さらに活力を与える住形式を、科学的にとらえること、といえよう。このように20世紀の初期においては生物学、とくに形態学、生態学、生理学などの発展、展開が、建築の志向するものにつよく影響を与えていると見ることができる。
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