研究課題/領域番号 |
16760525
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築史・意匠
|
研究機関 | 人間環境大学 |
研究代表者 |
青井 哲人 人間環境大学, 人間環境学部, 助教授 (20278857)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | 植民地 / 日本植民地 / 都市計画 / 都市計画史 / 台湾 / 彰化 / 寺廟 / 寺廟整理 / 台湾都市史 / 市区改正 / 地籍図 / 都市史 |
研究概要 |
最終年度にあたる18年度は、彰化県内の5都市(彰化市・鹿港鎮・員林鎮・北斗鎮・田中鎮)での臨地調査から得られた知見を整理するとともに、2006年12月24日より2007年1月8日にかけて最終的な補足調査を行って本研究を総括した。主な成果は下記のとおりである。 第一に、地籍図の分析ならびに既往の地方史研究、臨地調査により、清末期における対象都市の街路網および寺廟分布を中心とする復元平面図を作成した。第二に、在来都市形態に対する植民地期市区改正事業の重合の様相を具体的に明らかにし、在来寺廟に対する市区改正の影響(撤去消滅、移転、一部敷地・建物消失、建替え)を把握した。第三に、1940年前後の寺廟整理運動の宗教政策的な理解を相対化し、都市改造による寺廟の物理的処分がむしろ寺廟の存続や分布・資産の変容に大きな影響を与えたことを示した。また、各都市に関するこれら成果の比較分析により、城壁を有する行政都市であるか、リニアに成長した海港・河港・街道都市であるかといった在来都市の形態的特性によって市区改正のインパクトが大きく異なることを示した。後者(鹿港・員林・北斗・田中)の場合は既存街路の拡幅が先行するため、既存の街屋および寺廟の部分的改変によって市区改正に対応できたのに対して、先行都市形態と市区計画との形態的齟齬したがって結果的に生じる形態的二重性が顕著な前者(彰化)では、むしろ先行都市の街路や寺廟などが保存される一方、この二重性への対処として都市再編がダイナミックに進んだことが明らかにされた。また複数の都市を対象としたことにより、都市改造にともなう寺廟の統廃合や再独立などの多様なプロセスを抽出することができた。 また18年度は、本研究の成果にもとづく複数の学会での英語発表ならびに単行書籍の刊行を実現することができた。
|