研究課題/領域番号 |
16760534
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
堀部 陽一 大阪府立大学, 理学部, 助手 (80360048)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 透過型電子顕微鏡 / スピネル型強相関電子材料 / 結晶構造解析 / 電荷整列現象 / ナノ組織 |
研究概要 |
本研究では、高温度領域に電荷秩序構造の形成を伴う金属-絶縁体転移を起こすスピネル型強相関材料に注目し、電荷秩序構造およびその構造的安定性、さらにその秩序形成過程と物理的特性との相関について明らかにすることを目的とした。具体的には、約700Kの金属-絶縁体転移点を有するAlV_2O_4をとりあげ、過型電子顕微鏡を用いた電子回折法およびシンクロトロン放射光回折を用いた精密構造解析を行うことにより電荷秩序構造の結晶学的特徴について調べ、さらに物性と比較することにより本系における電荷整列現象の物理的特徴について明らかにした。 様々な電子線入射方向から電子回折パターンを撮影し逆格子を作製した結果、AlV_2O_4における電荷整列構造は、q=(1/2 1/2 1/2)タイプ超格子反射の存在により特徴付けられることが明らかとなった。この結果、本系での電荷整列構造は、空間群R3^^-m加を有することが示された。この空間群をもとに、シンクロトロン放射光回折データについてリートベルト解析を行ったところ、R_<wp>=7.82%、R_1=2.10%、s=1.6054である結晶構造データが得られた。その特徴は、Vイオンがスピネル構造中に存在するカゴメ格子面上で三量体を形成し、さらに2つの三量体が三角格子上のVイオンに近付くことによりVイオンの7量体が形成されることである。物性との比較から、この7量体の形成は、従来報告されているようなクーロン反発力を起源とした電荷整列によるものではなく、Vイオンのt2g軌道間のσ結合によるものであると考えられる。
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