研究課題/領域番号 |
16760618
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
反応工学・プロセスシステム
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中川 浩行 京都大学, 環境保全センター, 助教授 (40263115)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | バイオマス廃棄物 / ホットプレス炭素化法 / 高密度活性炭 / セルロース / 機械的強度 / BET表面積 / おがくず |
研究概要 |
昨年度は、おがくずを原料として、室温から240℃まで機械的な荷重を負荷しながら炭素化(ホットプレス炭素化)し、その後900℃まで熱処理、水蒸気による賦活をすることにより、密度0.9g/cm^3、BET表面積1050m^2/g、破壊強度7MPaという高密度、高強度、高比表面積を持つ高性能な活性炭を高収率で製造することに成功した。本年度は、さらに竹やコピー用紙、新聞紙を原料として、高性能な活性炭の製造を試みるとともにホットプレス炭素化法による収率向上の効果について検討した。 竹、コピー用紙、新聞紙を原料とし、ホットプレス炭素化を行う温度域について検討したところ、おがくずと同様に、高温まで行うと密度と収率が単調に増加するが、BET表面積は減少することがわかった。その結果、ホットプレス炭素化を行う最適な温度域は、室温から240〜280℃であることがわかった。ホットプレス炭素化は、荷重を負荷しながら熱処理する方法なので、密度と強度に与える効果が大きい。荷重を負荷しない通常の炭素化で製造した場合、おがくずやコピー用紙、新聞紙を原料とした活性炭の強度はまったくないものであったのに対し、ホットプレス炭素化を施して製造した活性炭の強度は、市販の高強度活性炭の1/3〜1/2程度まで向上した。密度も通常の方法で製造したものの4倍程度になっている。さらに注目すべき効果として収率向上が挙げられた。特に新聞紙を原料とした場合に収率向上に対する効果が大きく、通常の方法と比較して収率が4倍にも達した。この原因を検討するために、バイオマスの主成分の一つであるセルロースを原料として同様の検討を実施した結果、ホットプレス炭素化法を施すことで収率が6倍にもなった。このことから、ホットプレス炭素化はバイオマス廃棄物中のセルロース成分の収率向上に大きな役割を持つことがわかった。
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