研究課題/領域番号 |
16760628
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物機能・バイオプロセス
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
梅津 光央 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (70333846)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2004年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 不溶性顆粒 / 大腸菌発現 / 巻き戻し / アルギニン |
研究概要 |
現在、簡便で安定的な蛋白質大量調製系の構築が求められているが、最も汎用性の高い大腸菌発現系では発現した蛋白質が不活性な不溶性顆粒として沈殿してしまうことが多々ある。これまで申請者は、バイオ医薬の中心的な役割を果たしている抗体蛋白質について、実際の不溶性顆粒から高効率で巻き戻すシステム(添加剤導入段階透析法)を開発してきた。この手法は、不溶性顆粒を高濃度の変性剤で可溶化後、変性剤を段階的に除去し、最適な段階で凝集抑制剤や酸化還元剤を添加することを基本としており、様々な抗体や受容体の蛋白質で80%以上の活性再生効率を達成している。この添加剤導入段階透析法は、透析速度の制御や酸化還元剤・凝集抑制剤の添加法を改良することによって、多種多様な蛋白質の巻き戻り特性に対応できる利点がある。昨年度では、最も基本的なスーパーフォールド構造(9種類)骨格を持つ蛋白質に対して、添加剤導入段階透析法を適応させた。 そこで今年度は、単量体ではなく、多量体を形成する蛋白質への添加剤導入段階透析法を行い、多量体を形成して機能している蛋白質の巻き戻しにおいて、ドメイン間の不適切な相互作用を抑制する添加剤導入を試みた。その結果、ドメイン間の相互作用は、基本的に蛋白質表面の疎水的領域の増加と共に影響が顕著に現れることがわかった。そして、適切な二次構造を形成するまえに、ドメイン間の相互作用が大きすぎると蛋白質は凝集する方向へ進むことがわかった。その結果、CDシグナルが二次構造を示し、トリプトファン蛍光がブルーシフトする段階でアルギニンを添加することが効果的であることがわかった。
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