研究課題/領域番号 |
16760632
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物機能・バイオプロセス
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
杉原 伸宏 信州大学, 大学院・医学研究科, 助手 (10324245)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
|
キーワード | インピーダンス / GS-3A4-HepG2細胞 / 細胞増殖 / 細胞形態変化 / 硫酸ビンクリスチン / CYP3A4 / インピーダンス測定 / リアクタンス / マウス胎児心筋細胞 |
研究概要 |
<背景>生細胞を用いた細胞解析は、細胞生存度、細胞毒性、細胞増殖、細胞運動能など様々な研究に使用されており、MTT法、ニュートラルレッド法、ATP測定などの一般的な手法を用いて測定されている。しかしこれら伝統的な手法は、結果が出るまでに時間がかかり、手技が非常に煩雑である。また解析により細胞に傷害を与えるため、同じ細胞を用いた連続的な測定が出来ない事から、測定値は各反応の終了ポイントのみとなる。そこで交流インピーダンス測定技術を応用し細胞の増殖能・運動能などを連続的に検出する新しい方法を研究している。 <研究成果>細胞を培養できる透明なITOガラス電極と効率的に配置された対電極を開発し、この電極を用いて、電極上の細胞変化をインピーダンス変化として検出する事で、細胞の増殖能・形態変化・薬物代謝能などを検出する技術を確立した。現在、上記技術を応用して薬物に対する細胞の増殖・形態変化の観察可能性を評価している。 <応用研究>ヒト肝がん由来細胞株HepG2及び、HepG2細胞株に遺伝子導入によりCYP3A4薬物代謝能を発現させたGS-3A4-HepG2細胞株を用いて、抗がん剤である硫酸ビンクリスチン(代謝にはCYP3Aが関与)を曝露した場合の、細胞の増殖変化を確認した。薬物代謝能のないHepG2細胞株とGS-3A4-HepG2細胞株では、硫酸ビンクリスチン曝露により経過時間的に増殖能に顕著な違いが見られた。HepG2細胞株は曝露後8時間程度で細胞の増殖が抑制され細胞数が減少するのに対し、GS-3A4-HepG2細胞株は曝露後8時間で細胞増殖が一旦停止する。その後20時間程度で増殖が再開しており、硫酸ビンクリスチンに対する薬剤耐性を獲得した変化を検出できたものと考える。よってこの測定方法を用いる事で、経時的な細胞と薬剤との反応を測定できる可能性が示唆された。
|