配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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研究概要 |
初年度は希土類窒化物の合成法として熱間等方加圧(HIP)法を採用し、バルク体の希土類窒化物(GdN, TbN, DyN, HoN, ErN)を合成し、磁場中および無磁場での比熱測定Cを行った。その結果、これらの窒化物はそれぞれのキュリー温度T_C付近で大きな磁気エントロピー変化ΔSを示し、断熱消磁温度変化幅も非常に大きいことを明らかにした。また、ErN, HoNは特に大きな異常比熱を示し、磁気冷媒のみならず蓄冷材としめ極めて優れていることを見いだした。 2年目は磁気冷媒・蓄冷材として特に有望なErN, HoNの熱伝導度測定を行い、これらの窒化物はステンレスや金属間化合物と同等の熱伝導度を持つことを発見した。また、Gd-Tb, Tb-Ho, Ho-Er窒化物固溶体を炭素熱還元法で合成し、磁化測定を行った結果、いずれの固溶体でもT_Cはその両端組成のT_Cの間で組成に応じて単調に変化することを明らかにした。またこれらの固溶体ΔSもそのT_Cに応じてピーク温度を制御できることを明らかにした。 最終年度はHo-Er窒化物固溶体をHIP法により合成し、磁場中および無磁場中の低温比熱測定を行った。この結果、いずれの組成の固溶体でも従来磁気冷媒として有望であった金属間化合物よりも大きなΔSを示し、断熱消磁温度変化も大きいことがわかった。特にHo : Er=1:1の組成の窒化物の無磁場中比熱は、Heガスの低温比熱が最大となる8K付近にピークをもち、この材料が蓄冷材として極めて有望な性質を示すことを明らかにした。また、磁気冷凍により室温、液化天然ガス、液体窒素温度から冷却していく場合のシミュレーションプログラムを組み、液体窒素温度から3段階で冷凍するプロセスが、エネルギー効率と経済効率を効果的に両立させることがわかった。
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