研究概要 |
昨年度は、Dna2タンパク質がテロメア末端の部分分解に関与することを発見した(Tomita et al. 2004,Mol.Cell.Biol.,24,9557-9567.)。そこで本年度はDNA切断末端の部分分解に関与する新規タンパク質の発見を試みた。 (1)Rad50のATPaseドメインやRad32のヌクレアーゼドメインのDNA修復における重要性を調べるために、Rad50S変異株とRad32D25A変異株にExo1遺伝子を破壊した2重変異株を作成し、DNA修復能を調べた。その結果、Rad50S変異株とRad50SとExo1の2重変異株はDNA感受性ではなかった。このことから、Rad50のATPaseドメインは、DNA修復には影響しないことがわかった。一方Rad32D25A変異株はDNAダメージ感受性で、しかもRad32D25AとExo1の2重変異株は、Rad32D25A変異株よりもよりよりDNAダメージ感受性になることがわかった。このことから、Rad32D25A変異株のヌクレアーゼ活性はほとんどないことと、ヌクレアーゼ活性がDNA修復に重要であることがわかった。また、Rad50のATPaseドメインやRad32のヌクレアーゼドメインのテロメア維持における重要性を調べるために、Rad50S変異株とRad32D25A変異株にRad3遺伝子を破壊した2重変異株を作成し、テロメア構造を調べた。その結果、Rad50SとRad3の2重変異株はテロメアDNAを維持できたのに対して、Rad32D25AとRad3の2重変異株はテロメアDNAを維持できなかった。このことから、Rad32D25A変異株のヌクレアーゼ活性はテロメア維持に重要であることがわかった。 (2)出芽酵母のクロマチンリモデリングに関係しているアクチン関連蛋白質Arp8はDNA切断末端の部分分解に関係していることが報告されている。そこで、分裂酵母のArp8がDNA修復に関係するかどうかを調べるために、Arp8の破壊株を作成し、DNA修復能を調べた。その結果、出芽酵母と違い、分裂酵母のArp8破壊株はDNAダメージ感受性にならなかった。さらに驚くべきことに、相同組み換え修復において中心的な役割を果たしているRhp51破壊株のDNAダメージ感受性をArp8を破壊することで、部分的に抑圧した。このことはArp8がDNA修復の制御において、重要な役割を果たしていることを示唆している。
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