研究課題/領域番号 |
16770027
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物生理・分子
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
横山 隆亮 東北大学, 大学院生命科学研究科, 講師 (90302083)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | シロイヌナズナ / イネ / 細胞壁 / ゲノム / キシログルカン / コンド型キシログルカン転移酵素 |
研究概要 |
シロイヌナズナのXTH(AtXTH)の植物体における働きを解析するために、T-DNAを挿入した突然変異体とRNAiを発現させた形質転換体の解析を行なった。根で特異的に発現するAtXTH遺伝子のうち、高い発現レベルを示すAtXTH18遺伝子の発現を抑制するRNAi形質転換体を作成したところ、根の伸長が抑制された。この結果は、XTHの働きが細胞伸長時のキシログルカン分子の繋ぎ換えであることを支持するものとなった。シロイヌナズナのゲノム上に存在する33種のAtXTH遺伝子のうち、27種類のAtXTH遺伝子のT-DNA突然変異体を解析したところ、Atxth27以外のT-DNA突然変異体については顕著な表現型が碓認されず、AtXTH間の機能的な重複があることが示唆された。このため二重突然変異体の作成に着手した。Atxth27突然変異体は葉の道管に異常が碓認されたことから、道管形成に伴う細胞壁の変化に特異的に働いていることが示唆された。また二重突然変異体の解析により、AtXTH遺伝子ファミリーのクラス3の中に、葯の分化と種子の発芽に関与する幾つかのAtXTH遺伝子が存在することが明らかになった。これらの結果は、XTHがキシログルカンの繋ぎ換え反応以外に、特定の細胞分化における細胞壁の代謝に重要な役割を果たしていることを示唆するものであった。イネにおいて、キシログルカン量の低さからイネのXTH(OsXTH)の役割の再検討の必要性が考えられていたが、このように特定の細胞分化に伴う細胞壁の変化に僅かなキシログルカンが関与しているならば、OsXTHもAtXTHと同様の働きをしている可能性が考えられた。この説を支持するように、組織レベルでの詳細な発現解析によってAXTH遺伝子と同様に細胞分化に伴う特異的な発現を示すOsXTH遺伝子が確認された。
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