研究課題/領域番号 |
16770056
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物生理・行動
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
原 健二 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (80293968)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 社会適応 / 社会性行動 / 脳神経 / グリア / 社会性昆虫 / クロオオアリ / 神経発生 / 脳機能発達 |
研究概要 |
本研究では、社会適応発達における脳グリア細胞の関与を明らかにすることを目的とし、社会性昆虫であるクロオオアリの脳をモデルに解析を行った。昨年度までに、クロオオアリの脳における細胞学的、解剖学的、発生学的な研究基盤を確立し、さらにグリア細胞の未成熟マーカー(reversed polarity(repo)遺伝子のクロオオアリホモローグ(CjRepo))のcDNAの単離と、同タンパク質に対する抗体を作出した。 これらの研究成果を踏まえて本年度は、羽化直後のクロオオアリにおける巣仲間学習能力と未分化グリアの分布を連関解析し、脳機能成熟とグリアの関係に一定の結論を導くことを目標にした。CjRepoに対する特異抗体を用いた免疫組織化学的な解析から、羽化直後の個体の脳におけるグリアの成熟度合いには大きな個体差があり、すでに我々が報告した巣仲間学習能力の個体差との関連を支持するものであった(Hara,2003)。 当初の研究計画では、ハイドロキシウレア処理によってグリア細胞数を著しく欠く脳を作出することで、グリア成熟と学習能力の関係をより直接的に解析する予定であった。ハイドロキシウレアの処理濃度を検討したが、低濃度の処理ではグリアの細胞数に有意な減少が認められず、高濃度処理では、脳全体に奇形が誘導できるものの、個体の生存そのものに重篤な影響があり、学習能力を判別するための行動解析が行えなかった。本研究目的にはハイドロキシウレアは適当ではないと思われた。 ここまでの成果を論文にまとめ、The Journal of Comparative Neurology誌に投稿したところ、採択にはさらにいくつかの追加実験を求められており、現在も研究を継続している。
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