研究課題/領域番号 |
16770060
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物多様性・分類
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
四ツ倉 典滋 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 助手 (60312344)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 海産植物 / コンブ属植物 / 遺伝的多様性 / 種分化 / マイクロサテライト / 5SrDNAスペーサー |
研究概要 |
北海道産単葉状コンブ属植物は、必ずしも種や産地の違いを反映しない多様な5S rDNA spacerの塩基配列パターンを示したものの、葉面に生じる凹凸紋様の違いに即した3つの系統群[(i)チヂミコンブグループ(トロロコンブ属植物およびミスジコンブ属植物を含む)、(ii)ミツイシコンブグループ、(iii)マコンブグループ]に分けられた。そして、Laminaria gurganovaeなどロシア極東域に生育するコンブ属植物との比較結果に、"それぞれの生育海域の地理的関係"と"海流の方向性"をあわせて考察すると、我が国のコンブ属植物はロシア極東域に生育するグループ(i)が北海道北部・東部沿岸へ移り、やがて分化してグループ(ii)となって太平洋沿岸に拡がり、その後グループ(iii)に分化していったことが推察された。また、グループ(iii)内の遺伝的多様度から、マコンブ、ホソメコンブ、リシリコンブ、オニコンブは順に太平洋南部沿岸→津軽海峡沿岸→日本海沿岸→オホーツク海沿岸→太平洋東部沿岸へと分布域を拡大し種分化をとげていく変遷も推察された。更に、マコンブ、ホソメコンブ、リシリコンブ、オニコンブに見られる顕著な塩基配列の多様性は遺伝子交流の結果であることが交雑試験の結果を通して導かれ、これら4種を単一種とすべきとの結論を得た。一方、北海道産コンブ属植物において変異性に富むCAリピートのマイクロサテライトを検出することができた。今後水産の現場でマイクロサテライトマーカーを用いた迅速かつ簡便な産業種識別法の開発が期待される。
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