研究課題/領域番号 |
16770073
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造生物化学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
佐藤 ちひろ 名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 助教授 (10343211)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2004年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | シアル酸 / ジシアル酸 / オリゴシアル酸 / ミクログリア / 神経細胞 / 活性化 / CD166 / T細胞 |
研究概要 |
シアル酸重合体とは、シアル酸同士が2〜数十残基結合した構造である。胎仔脳において、神経細胞やグリア細胞におけるNCAM上のポリシアル酸構造の研究はよく行われており、反接着分子として機能することにより、脳の発達に深く関わることが知られている。一方、脳内での免疫機構を司るマクロファージ様の細胞であるミクログリア上のシアル酸構造に関してこれまで解析が全くなされていなかった。我々はマウス新生児脳のプライマリーカルチャーおよびノミクログリア細胞株を用いて、ミクログリア細胞にジシアル酸構造だけでなくポリシアル酸が存在することを明らかにした。また、ミクログリア細胞はその活性化によって、神経組織に対し、trophicに働いたり、toxicに働くことが知られているが、その機構について詳しくはわかっていない。そこでミクログリアの機能におけるポリシアル酸構造の関わりを明らかにするために、まず、ミクログリア細胞株を用いて、活性化状態におけるポリシアル酸の変動を明らかにすることとした。LPSおよびIL4刺激という二つの異なる活性化状態におけるポリシアル酸構造の変動を、免疫染色および我々の開発したオリゴ・ポリシアル酸の化学的検出法により解析した。その結果、ミクログリア細胞のポリシアル酸はLPS刺激により速やかに消失すること、またIL-4刺激においてはそのポリシアル酸量が増加することが明らかになった。これまで、ポリシアル酸の消失は、脳の発達に伴う数週間から数ヶ月にわたる変動と考えられていたが、ミクログリアにおけるポリシアル酸の速やかな消失は、分単位という非常に素早い変化であった。このような素早い変動はポリシアル酸の研究のおいて初めての例である。また、この急激な消失はポリシアル酸がミクログリアの活性化に関わりがあることを示唆する。
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