研究課題/領域番号 |
16770088
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造生物化学
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
小椋 俊彦 独立行政法人産業技術総合研究所, 脳神経情報研究部門, 研究員 (70371028)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 単粒子構造解析 / 電子顕微鏡 / 膜蛋白質 / 画像処理 / アルゴリズム / シミュレーティッドアニーリング / 3次元再構成 / 画像認識 |
研究概要 |
単粒子構造解析は、電子顕微鏡で撮影された蛋白質粒子の画像から3次元構造を解析する手法である。この方法では、画像内の多数の蛋白質粒子を認識し拾い上げ、同じ角度毎に加算平均することでノイズを低下させる必要がある。この平均画像から3次元構造を求めていく。我々のグループでは、粒子画像の認識方法として、三相階層型Neural Networkによる画像学習を用いる方法とSimulated Annealingによる粒子認識方法をそれぞれ開発してきた。これらの方法を併用することで、10万枚規模の画像拾い上げを自動的に行うことができ、数十万枚規模の解析を可能とした。本年度は、これらの新規に開発したアルゴリズムを用いて、これまで構造が未知の膜蛋白質の解析を進めてきた。TRPC3チャネルは、Caイオンを透過する膜蛋白質である。我々は、本チャネルをnegative-stain法により可視化し、透過型電子顕微鏡を用いて画像データを収集した。この画像に対して、Neural Networkによる方法とSimulated Annealingによる粒子認識方法を適用し、多数の蛋白質画像を短期間にかつ高精度に拾い上げた。さらに、画像の分類方法においても、我々が開発したGrowing-Neural-Gas Network法を用いることで、従来法に比較して極めて高精度な画像分類を行った。これにより、本蛋白質の基本構造を明らかにすることができ、本成果を国際学術論文誌に発表した。さらに、これまで開発してきた単粒子構造解析に関する様々な手法を解説論文としてまとめ、生物関連の雑誌上で報告した。また、こうした手法の高速化を達成するため、アルゴリズムのマルチスレッド化を進めており、これにより最新のMulti-CPUやクラスタPC上での解析期間の短縮が期待できる。
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