研究課題/領域番号 |
16770099
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
末吉 紀行 香川大学, 農学部, 助教授 (90346635)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2005年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | CaMKP / CaMKP-N / CaM kinase / zebrafish / apoptosis / protein phosphatase |
研究概要 |
多機能性CaMキナーゼ(CaMK)を特異的に脱リン酸化して不活性化すると考えられている酵素がCaMキナーゼボスファターゼ(CaMKP)であるが、本酵素のin vivoでの機能はよく分かっていない。本研究ではアンチセンス法によるGene Knockdownにより、CaMKPがゼブラフィッシュの初期発生に果たす役割を検討した。まず、ウエスタンブロッティングにて胚での発現を調べたところ、CaMKPは48hpf以降の胚から検出された。また、Whole mount in situ hybridizationによると、24hpfからシグナルが認められ、48hpfでは神経系をはじめとする広範囲にわたって発現していた。アンチセンスモルフォリノオリゴをインジェクトした胚では72hpfまでに著しい奇形を生じたが、CaMKPの発現部位と一致して、アクリジンオレンジで染色されるアポトーシス細胞が観察された。この表現型はラットCaMKPとのco-injectionによりレスキューされたが、ホスファターゼ活性を持たない変異体D194Aにはそのような効果は認められなかった。以上の結果より、CaMKPがゼブラフィッシュ初期発生に不可欠であることが示された。一方で、核局在型CaMKP(CaMKP-N)の生物学的意義を調べるため、ゼブラフィッシュCaMKP-N(zCaMKP-N)をクローニングした。Neuro2a細胞に発現させたzCaMKP-Nは核に局在したが、C末端領域のRKKRRLDVLPLRR以降を欠損した変異体は細胞質に局在した。また、Neuro2aに発現させたzCaMKP-NはCa^<2+>刺激によりリン酸化したCaMKIVを細胞内において脱リン酸化した。また、ゼブラフィッシュ胚では脳と神経管に発現が認められた。最後にアンチセンスモルフォリノオリゴによるzCaMKP-Nの翻訳阻害を行ったところ、脳及び神経管にアクリジンオレンジで染色されるアポトーシス細胞が認められた。これらの結果からzCaMKP-Nは多機能性CaMキナーゼの活性を調節し、中枢神経系の制御に関与していると考えられる。
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