研究課題/領域番号 |
16770120
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
鈴木 亮 名古屋市大, 薬学研究科(研究院), 助手 (00344458)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 神経細胞 / マスト細胞 / 相互作用 / 共存培養 / 顕微光学技術 / ATP / シナプス / カドヘリン |
研究概要 |
神経細胞とマスト細胞は生体の多くの組織で相互作用し恒常性を維持している。ところが両者の相互作用の実体はほとんど明らかになっていなかった。そこで申請者が確立した神経初代培養細胞とマスト細胞(骨髄由来マスト細胞、マスト細胞株)のin vitro共存培養システムと、顕微光学技術を組み合わせることによって両者の相互作用を追究した。本申請研究では、マスト細胞から神経ネットワークへの情報伝播に焦点を当てて研究を進めた。両者を共存培養すると伸長した神経突起とマスト細胞が接着した。抗原でマスト細胞を特異的に刺激すると、マスト細胞から神経ネットワークに活性化シグナル(カルシウムシグナル)が伝達されることが分かった。また神経ネットワークでのカルシウムシグナルはマスト細胞との接着部位から200μm以上に渡って伝達されていた。また、マスト細胞から神経ネットワークへのカルシウムシグナルはATP受容体阻害剤、ATP加水分解酵素の存在下で抑制されたことから、メディエーターの一つとしてATPが関与していることが明らかになった。次に、マスト細胞から神経ネットワークへのシグナル伝播の基盤となる両者の接着機構を追究した。電子顕微鏡を用いた解析から、両者はシナプス用の構造で接着していることが分かった。また、このシナプス様構造には接着分子のN-カドヘリンが関与していることを見い出した。 以上のように、マスト細胞から神経ネットワークへの情報伝播の分子機構が明らかになるとともに、厳密に制御されている生体機能における、免疫・神経相互作用の一端が明らかになった。
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