研究課題/領域番号 |
16770183
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人類学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
瀧川 渉 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90323005)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2006年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
|
キーワード | 四肢骨・頭蓋形態 / 日本列島 / 人類集団 / 現代日本人 / 縄文時代人 / 地域差・地域間変異 / 古人骨 / 形態人類学 / 四肢骨形態 / 縄文人 / 縄文人・弥生人 / 古墳人 / 北海道アイヌ |
研究概要 |
最終年度は頭蓋の計測的特徴にも視野を広げ、北海道から九州に及ぶ日本列島の広範囲に渡る縄文人と現代日本人の各集団6地域間の変異についていかなる地域差が認められるのかに着目し、昨年度における四肢骨に基づく解析結果との比較検討を試みた。 頭蓋計測値の単変量解析では、一元配置の分散分析によって、バジオン・ブレグマ高において縄文人の男女ともに有意な地域差が見られ特に東日本で高い傾向にあること、北海道縄文人の脳頭蓋と眼窩のサイズが縄文人集団の中でも大きいことが示された。また、縄文人男性では有意差のある項目は少なくほとんどの項目で縄文人の方が現代日本人より地域間分散が小さくなるのに対し、縄文人女性では脳頭蓋の項目に有意な地域差が多く地域間分散も現代日本人より大きい項目が目立った。 さらに、両集団の各地域間で頭蓋12計測項目を基にマハラノビス距離を求めると、男性では縄文人と現代日本人の平均距離は同程度であったが、女性では縄文人の地域間変異の方が大きい傾向にあることが明らかとなった。 以上の結果は、四肢骨の計測的特徴による解析結果とかなり異なる様相を呈しており、この状況は四肢骨と頭蓋の形態を形成する各々の背景の相異を示唆するものである。それに加え、縄文人の形質が全国的に均質であるとする従来の見解は、現状では男性頭蓋の計測的特徴に基づいたものに限り、現代日本人との比較に則った上でのみ成立すると言えそうである。他方、女性に関しては四肢骨・頭蓋のいずれの特徴においても、現代日本人より地域間変異が大きいものと考えられる。 この研究成果の一部は、2006年11月に高知工科大学で開催された第60回日本人類学会大会において口頭により発表された。さらに、瀧川の平成18年度学位申請論文「四肢骨および頭蓋の計測的特徴における縄文時代人の地域間変異」として、東北大学に提出された。
|