研究課題
若手研究(B)
・ブラシノステロイド欠損変異体osdwarf4-1の解析に基づき、ブラシノステロイドの働きを部分的に抑えることでイネの葉を直立させ、収量を増やせることを明らかにした。・新規のブラシノステロイド関連変異体Tos2091の解析を行い、この変異体では暗形態形成が起こらないこと、ブラシノステロイド処理による第2葉鞘の伸長反応や葉身の屈曲反応が起こらないことを明らかにした。さらにこの変異体では活性型ブラシノステロイのカスタステロンが蓄積していることを明らかにした。以上の結果から、本変異体はブラシノステロイド非感受性であることが確認され、ブラシノステロイド情報伝達因子をコードする遺伝子に欠陥があることが予測された。前年度に引き続きポジショナルクローニングを進め、原因遺伝子の単離に成功した。本遺伝子はこれまでにブラシノステロイド情報伝達との関与が報告されていない新規のタンパク質をコードしていること、シロイヌナズナでは類似の遺伝子が2つ存在し、機能欠失変異体が得られにくいことが明らかとなった。・ブラシノステロイド生合成酵素遺伝子、代謝酵素遺伝子、受容体遺伝子のプロモーター解析を行い、生合成酵素遺伝子OsDWARFがラミナジョイントと呼ばれる組織の向軸側細胞に特異的に発現していることを示した。ラミナジョイントはイネの葉鞘と葉身を繋ぐ組織で、この組織の向軸側細胞と背軸側細胞の偏差的細胞伸長によって葉身の角度が変化することが知られている。本実験結果は予備的なものであり、さらに確認するための詳細な実験が次年度以降求められるが、この結果からブラシノステロイド生合成の空間的制御を通じてイネ葉身の角度が決定されている可能性が示唆された。
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Nature Biotechnology 24
ページ: 105-109
Current Opinion in Biotechnology 15
ページ: 144147-144147