研究課題/領域番号 |
16780021
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
園芸学・造園学
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研究機関 | 慶應義塾大学 (2005-2006) 日本文理大学 (2004) |
研究代表者 |
大澤 啓志 慶應義塾大学, 総合政策学部, 専任講師 (20369135)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 両生類 / 棚田 / ビオトープ接続 / 文化的景観 / 水田-樹林地複合環境 / カエル類 / 畦畔 / 集居集落 / 耕作放棄 / 水辺の生き物像 / ビオトープタイプ / 生息適地予測 / 農村景観 / 生息量指標 |
研究概要 |
モンスーン気候下の我が国の農村景観を特徴付ける水田生態系においては、水田と周囲の樹林の両方にまたがる生活環を持つ生物も多く、水田一樹林複合環境の視点が重要であり、その配置関係も含めた緑地資源評価や保全計画が求められる。そこで、樹林性両生類としてトウキョウサンショウウオを指標に、繁殖期における非樹林環境としての棚田への水平的な移動能を明らかにした。伝統的な土披型の棚田(千葉県鴨川市大山千枚田)において、早春期の産卵状況の調査を行ない、2004〜2006年の3年間で140〜400個体の産卵箇所を記録した。本棚田では1側面を除き移動阻害はなく、特定の場所の水田への選択性はほとんど認められなかった。GISのバッファー機能により周囲の樹林地から繁殖利用水田までの距離を求めると、平均は50m強、90%値では80-100mであった。樹林性両生類の生息においては、上下方向の大きな段差、あるいは交通量の多い道路、または垂直面のある水路等の線状の移動阻害要因が無い場合、樹林地から100(〜150)mの範囲内の水田が繁殖上重要なビオトープ接続、すなわち水田-樹林地複合環境となることを明らかにした。 また、伝統的な石垣棚田(大分県院内町両合棚田)での継続的な管理下での石垣植生の実態、そして粗放管理化や管理放棄に伴う植生の変化を明らかにした。年二回の草刈という中庸な攪乱状況となる粗放管理地で植物多様性が最も高くなり、より農的な攪乱の頻度が増す耕作区、あるいは人為攪乱が廃されて遷移が進んだ放棄区ではその多様性は低下した。特に放棄区における石垣而でのブッシュの育成は棚田景観そのものを覆い隠し見えない状態にしていた。対照的に、耕作区の度重なり草刈が行なわれる石垣面では、粗放管理区に比較し若干値は低くなるものの、石垣面に沿った矮小な壁面上の二次草原が成立していた。
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