研究課題/領域番号 |
16780034
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用昆虫学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
堀 雅敏 東北大学, 大学院農学研究科, 助手 (70372307)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
|
キーワード | アブラムシ / 嗅覚応答 / 寄生植物 / 香気 / 誘引 / 寄生選択 / オルファクトメーター / 電気生理学 / 寄主植物 / 寄主選択 |
研究概要 |
狭食性アブラムシの一種、ネギアブラムシの寄主植物に対する嗅覚応答を個体別に調査するため、Y字型オルファクトメーターを用いて、ニラ香気に対する行動を調査した。昨年度実施した集団での試験結果と同様に個体別でもニラ香気に誘引性が認められたが、誘引性の強さは集団に比べ劣っていた。この結果から、寄主植物香気への誘引には個体間の相互作用も働く可能性が示唆された。 昨年度の分析より、ネギの主香気成分はdipropyl disulfide、E-2-propenyl propyl disulfide、dipropyl trisulfideであることが、ニラの主香気成分はdiallyl disulfideであることが判明している。そこで、標品の入手が可能なdipropyl disulfide、dipropyl trisulfide、 diallyl disulfideの3物質について、ネギアブラムシに対する誘引性をY字型オルファクトメーターを用いて調査した。Dipropyl disulfideは試験したいずれの濃度でも誘引性を示さなかったが、dipropyl trisulfide、diallyl disulfideは0.01%濃度処理において、有意な誘引性を示した。 アブラムシの植物香気成分に対する嗅覚応答を電気生理学的に解明するため、ネギアブラムシおよびゴボウヒゲナガアブラムシを用いて、触角電位図法の確立を試みた。両種とも、生存虫の触覚先端を記録電極につなぎ、複眼を不関電極につないで測定したところ、電位図を取れることは示されたが、安定した結果を得ることは困難であった。触角の節間を記録電極につないで測定する方法でも安定した結果は得られなかった。 いずれにせよ行動学試験の結果、本種はdipropyl trisulfideやdiallyl disulfideなどネギ類特有の硫黄化合物を、寄主探索における嗅覚情報として用いていることが判明した。
|