研究課題/領域番号 |
16780046
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物栄養学・土壌学
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研究機関 | 京都府立大学 (2005) 京都大学 (2004) |
研究代表者 |
矢内 純太 京都府立大学, 農学研究科, 助教授 (00273491)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2004年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 土壌汚染 / カドミウム / ファイトレメディエーション / グンバイナズナ / 根圏 / 土壌管理技術 |
研究概要 |
1.日本の気候環境における超集積植物によるファイトレメディエーションの浄化能評価 本年度は、超集積植物を用いたポット試験を日本の気候条件下の野外で実施した。供試植物としては極めてCd集積能が高いとして知られるアブラナ科グンバイナズナ属(Thlaspi caerulescens)を、供試土壌としては日本の代表的な土壌である沖積土のCdで5ppmに汚染されたものを用い、京都市において12ヶ月間栽培試験を行った。その結果、汚染土壌に植栽したT.cのバイオマスは2.24t/haに達し、そのカドミウム濃度は最大で66.1ppmとなった。従って制御された環境における室内試験の結果と比べると吸収効率はかなり劣るものの、1年間で約90g/haのカドミウムを吸収できた。時期別では春季(3〜6月)のカドミウム吸収量が、年間総吸収量の80%強に相当した。従って、日本の気候条件下において、T.cを用いた効果的なファイトレメディエーションを行うには、春季に集中して行うのが適当であると考えられた。以上の結果、日本の気候条件下においてCd汚染土壌に対してもThlaspi caerulescensを用いたファイトレメディエーションは現実的な対策になり得ることが実証された。 2.根圏・根域土壌におけるCd可給度評価と吸収機構の推定 また、栽培後の土壌のカドミウム濃度を測定したところ、全カドミウム濃度は植物による吸収に応じてバルク>根域>根圏土壌の順となった。一方、可給態カドミウム濃度はバルク<根域<根圏土壌の順になり、pHはバルク>根域>根圏土壌の順となった。従って、T.cは根の有機酸放出などにより、根近傍のpHを下げてカドミウムの可給度を上昇させることで、カドミウムの集積を効率良く行っているものと考えられた。
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