研究課題/領域番号 |
16780070
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用生物化学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
田口 悟朗 信州大学, 繊維学部, 講師 (70252070)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | タバコ植物 / マロニル化 / 配糖化 / フェノール性化合物 / RNAi / 異物代謝 |
研究概要 |
タバコ細胞では、異物であるナフトールがマロニルグルコシドとして蓄積される。この応答を植物におけるフェノール性異物の代謝のモデルと考え、その代謝にかかわる酵素の検討を行った。そこて、本研究では、まず、新規に単離したアシル化酵素遺伝子(NtMaT1)について、大腸菌発現酵素を用いてその詳細な反応性を検討した。その結果、この酵素はナフトールのみならず、植物では広く存在するフラボノイドの配糖体に対しても強い活性を示すことが明らかとなった。 そこで、RNAi法によりナフトール関連化合物に活性を持つ配糖化酵素及びマロニル化酵素の発現をそれぞれ抑制したタバコ培養細胞を作出し、この組換え細胞と野生株細胞とにおけるナフトールの代謝を比較した。その結果、NtMaT1の発現を抑制した細胞では、マロニル化酵素活性が顕著に抑制され、それに伴いナフトールなどのフェノール性異物のマロニル化も観察されなくなった。このことは、今回単離したNtMaT1の産物がタバコにおけるこれらマロニル化を担っていることを示している。NtMaT1を抑制した植物でも、細胞等同様にマロニル化物の蓄積が抑制された。その場合には未知の代謝産物が蓄積しており、ナフトールに対する耐性の変化は直接的には観察できなかった。 配糖化酵素NtGT1及びNtGT3の発現をそれぞれ抑制した細胞では顕著な配糖化活性の減少は認められなかったが、これらのうち、NtGT3抑制細胞では、野生株と比較して投与したナフトールの配糖化が遅れたことから、NtGT3がナフトール等の異物の代謝に関わっている可能性が示された。一方、この影響は相同性の高いNtGT1を抑制した細胞では認められなかったことから、同様の反応性を持ち、同様の刺激で誘導を受ける酵素であっても、その生体内での役割は異なっていることが示唆された。
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