研究課題/領域番号 |
16780102
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
食品科学
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研究機関 | 明治薬科大学 |
研究代表者 |
馬場 正樹 明治薬科大学, 薬学部, 助手 (60322525)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | isoliquiritigenin / apoptosis / prostanoids / cyclooxygenase II |
研究概要 |
本研究課題では主にカルコン類isoliquiritigeninについて、炎症関連因子や細胞死誘導活性の詳細を検討し、あわせて類縁化合物の活性について明らかにすることを目的とする。これに関し、前年度に引き続き本年度は以下の点を明らかにした。 1.isoliquiritigenin誘発アポトーシスに最も寄与しているカスケードを決定するために、ヒト大腸癌細胞株COLO-320DM及び子宮頚癌細胞株HeLaを用い、活性化カスパーゼを検出したところ、カスパーゼ9、6が共通して活性化されており、HeLaではカスパーゼ3、7も活性化されていた。 2.HeLaでは、それぞれのカスパーゼ特異的阻害剤を添加すると、カスパーゼ3の基質であるPoly(ADP-ribose)polymerase(PARP)の切断が抑制された。このことから、isoliquiritigeninは本細胞に対してカスパーゼより上流のアポトーシス誘発機構を活性化することが示唆された。また、特にカスパーゼ9及び3を阻害すると顕著に細胞死が抑制されたことから、本細胞ではカスパーゼ優位な細胞死誘発機構を活性化していることが明らかとなった。 3.COLO-320DMでは、同様にカスパーゼ特異的阻害剤を添加によりPARPの切断活性が抑制された。しかし、阻害剤添加により細胞の生存率はほとんど改善されず、カスパーゼを介さないアポトーシス誘発機構にその多くを依存している可能性が示された。 4.COLO-320DMではisoliquiritigenin処理によりミトコンドリアからのAIFの漏出が認められ、また、ミトコンドリアの膜電位変化が認められたことから、カスパーゼを介さないアポトーシス誘発機構の一つとして、ミトコンドリア膜電位を変化させることによるAIFの漏出が関与していることが示された。 5.さらに、本化合物処理によりSmac/Diabloが過剰発現する傾向が認められ、このことからも本化合物処理におけるアポトーシス誘発機構にミトコンドリアを介した二次的カスパーゼ活性化機構が大きく関わっていることが明らかとなった。
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