研究課題
若手研究(B)
^<13>Cトレーサーによりマーキングを行った試料を葉、枝、幹部樹皮、幹部木部、根樹皮、根木部、細根の7部分にわけ、各部への春、夏、秋の光合成産物のカーボンアロケーションを調べた。また、各部からデンプンを抽出し、貯蔵物質がどの程度の時間で消費されるかを調べた。ラベリングの翌年に形成された年輪中の^<13>Cの分布を調べ、前年の貯蔵物質がどのくらい繰り越されて木材形成に利用されるかをさらに個体数を増やして調べた。その結果、春は光合成産物のほとんど(93-97%)が地上部に配分され、地下部に2.6-7.9%しか配分されなかったが、夏、秋は地下部にそれぞれ32-44%および12-24%配分されていた。早材は前年から持ち越された貯蔵物質と当年の春に固定された光合成産物の両方から形成されていたが、晩材はほぼ当年の光合成産物から形成されていた。らせん木理をもつダフリアカラマツはらせん方向の転流経路を示し、その経路は師細胞のらせん方向の配列とほぼ一致していた。凍土融解深の浅い春は地温が低く、根の成長が起こらないか少ないため光合成産物は地下部にあまり配分されないが、地温が高くなる夏、秋には根の成長が活発になり、地下部への配分が比較的高くなったものと思われる。年輪解析において、前年の気候因子と当年の年輪変数(同位体比、年輪幅、密度)との間に有意な相関がしばしば観測されるが、そのひとつの理由としての前年の光合成産物の当年の年輪形成への利用が裏付けられた。これらの結果を2報の論文として投稿し、一方は受理された。早材と晩材を切り分けることにより、乾燥サイトの年輪から炭素同位体比クロノロジーを構築した結果、晩材δ^<13>Cのほうが早材δ^<13>Cより気候因子との良い相関が見られ、早材δ^<13>Cは6-7月の気温、6月の降水量と有意な相関が見られ、晩材δ^<13>Cは7月の気温・降水量と比較的強い相関が見られた。
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