配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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研究概要 |
微生物的危害を評価するためには,微生物の挙動を決定付ける増殖・死滅に関する速度論的情報の工学的整理とネットワーク接続による情報の共有化が必要であり,フードチェーンにおける環境変化に対応しうる動的微生物生育・殺菌挙動の予測モデルの構築が必要である.本研究では,フードチェーンにおける微生物挙動を動的に予測することによって,微生物リスクを分析し,食品の安全性を評価するシステムの開発を行った.研究実績の概要は以下の通りである.(1)微生物増殖予測では,温度変化に対応できる修正Gompertzモデルを用いた動的成長予測モデルを構築し,流通過程における微生物挙動を予測した.また,微生物の成長に与える環境要因間の相関を統計的に明らかにし,確率予測微生物学モデルによる分布幅を含む微生物成長曲線を予測する方法を確立した.(2)電磁波による加熱殺菌モデルの構築では,数値流体力学(CFD)シミュレーション法により農産物の熱・物質移動予測を行うとともに,農産物表面常在菌の菌密度時空間分布変化を予測した.さらに,農産物内部で起きる糊化などの化学変化を予測するモデルや均一加熱制御法について品質に悪影響の無い加熱殺菌法の確立についても検討した.(3)複雑な挙動を示す微生物挙動をニューラルネットワークモデルにより予測し,殺菌時間等を予測するモデルを開発した.(4)本研究で開発した微生物挙動予測モデルとSQF管理プログラムを組み合わせた食の安全管理法確立の可能性について検討し,本要素技術が微生物学的危害分析や管理に効果的に機能することが明らかとなった.以上,本研究は,科学的な根拠に基づく食の安全性確保に寄与する成果である.
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