研究課題/領域番号 |
16780205
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎獣医学・基礎畜産学
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
中原 桂子 宮崎大学, 農学部, 助教授 (90315359)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | ニューロメジンU / 生体時計 / 視交叉上核 / 光同調 / 時差ボケ / 生体リズム |
研究概要 |
近年、著者は新規ペプチドのニューロメジンUが時計部位である視交叉上核に存在し、またその受容体も視交叉上核に存在する事を見いだし、ニューロメジンU(NMU)が計時機構、あるいは光受容機構に関与していると推測した。そこで、今回、光に対する時計の同調にニューロメジンUが関与しているか否かを検討した。まず、明暗条件の急な変化に対して、新たな明暗時条件への再同調速度をNMUノックアウトマウスとワイルドマウスで比較検討した。マウスを12時間明期12時間暗期(7時点灯19時消灯)および22±1℃の条件下で個別に飼育し、赤外線センサーによる行動量測定装置(室町機械株式会社)で個別の行動量を測定した。最低1週間以上、行動量を測定した後、点灯時間を5時間前進させ、2時点灯14時消灯の新しい明暗条件下でひきつづき行動量を測定した。その後、再び7時点灯19時消灯の明暗条件下にもどし行動量を測定した。なお、行動量は15分間隔での合計で記録した。 明暗条件を5時間前進もしくは後退させると、すべてのマウスにおいて新規の明暗条件に同調するために行動開始時刻が徐々に前進もしくは後退した。最終的には新規明暗条件の暗期の開始時刻に行動開始時刻が一致した(この一致するまでに要した日数を再同調速度として計算した)。その結果、明暗周期の5時間の前進に対しては、ワイルドマウスでは同調までに5.62±0.38日要したのに対して、NMU-ノックアウトマウスでは7.38±0.73日要した。つまりNMU-ノックアウトマウスはワイルドマウスと比較すると有意に再同調に時間がかかっていることが示された。 以上の結果と、以前のニューロメジンUやその受容体の視交叉上核での発現の結果を合わせて考えると、ニューロメジンUは視交叉上核において、光の同調を修飾する因子として、あるいはまた、細胞間の同調を促進する因子として作用している可能性が高いと推測された。
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