研究課題/領域番号 |
16780235
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用分子細胞生物学
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
坂田 洋一 東京農業大学, 応用生物科学部, 講師 (50277240)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2004年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | アブシジン酸 / 環境ストレス耐性 / ヒメツリガネゴケ / プロテインフォスファターゼ / 分化 / 成長 / 分化・成長 |
研究概要 |
シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)の遺伝学的解析から同定されたABI1にコードされる2C型Ser/Thrプロテインフォスファターゼ(PP2C)は、ABAシグナル伝達系の上流に位置する負の制御因子である。abi1-1はABI1の優性変異であり、コードされるPP2Cは触媒ドメイン内の1アミノ酸置換により、ABAシグナル伝達系においてより強力な負の制御因子として機能する。我々は一過的発現実験から、abi1-1がヒメツリガネゴケ(Physcomitrella patens)においてもABAシグナル伝達を強く抑制することを明らかにした。またabi1-1を恒常的に発現させた形質転換体では野生型株(WT)と比べて、1)ABAに対する感受性の低下、2)原糸体細胞が野生型株と比べ肥大化、3)茎葉体のサイズが大きい、4)胞子体形成に異常を示す、といった特徴が見られた。このように被子植物であるシロイヌナズナと進化的に遠く離れたヒメツリガネゴケにおいてもabi1-1が機能することから、PP2Cを介したABAシグナル伝達経路が植物界に普遍的に保存され、植物の発達やストレス応答等の制御に関わっていることが示唆された。ヒメツリガネゴケESTデータベースから、ABI1と相同性をもち、高いABA誘導性を有する遺伝子を探索した。その中の1つは系統樹解析の結果から6つある植物由来のPP2Cグループのうち、ABI1と同じグループに分類され、ABI1と同様のイントロン/エキソン構造をもつことから、PpABI1と命名した。このPpABI1をヒメツリガネゴケ一過的発現系において過剰発現させると、ABA依存的な応答を示す小麦Emプロモーターの転写活性を強く抑制したことから、実際にPpABI1がヒメツリガネゴケにおいてABAシグナル伝達系の負の制御因子として機能することが明らかとなった。
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