研究課題/領域番号 |
16790006
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学系薬学
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
根本 哲宏 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助手 (80361450)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
|
キーワード | パラジウム / 不斉合成 / リン配位子 / 触媒 / ジアミノホスフィンオキシド |
研究概要 |
2年度目の研究内容は、初年度の実験データをもとに反応の詳細なメカニズム解析、並びに反応適用範囲の拡大を行い、さらにそれらを生物活性物質、医薬品の触媒的不斉合成へと展開した。まず、初年度に開発したPd触媒反応の反応機構解析としては、速度論解析や質量分析、NMR解析などを駆使して活性触媒の構造決定と、選択性発現のメカニズムを解明した。これにより得られた知見をもとに、2位に芳香族置換基を有する環状アリルカーボネート類のアリル位アミノ化反応に関して詳細な検討を行い、従来に開発されていた触媒条件を遥かに上回る選択性を実現した。本法はメゼンブリン等のクリニンタイプアルカロイドの合成中間体の触媒的不斉合成に応用しており、その合成化学的な有用性は極めて高い。また、アリル位置換反応を用いるβ-ケトエステルを求核剤とする不斉4級炭素構築反応に関しては、求電子剤としてγ位にアセテート等の脱離基を有するα,β-不飽和エステルを用いる反応へと展開した。本法は、3つの異なるカルボニル基を有する特徴的な生成物を与える反応で、このタイプの求電子剤を用いる不斉アリル位置換反応としては初めての例である。また現段階では未発表データではあるものの、ジアミノホスフィンオキシドを用いる触媒的不斉合成の応用として現在幾つかの研究が進められており、ニトロアルカン類を用いる不斉アリル位置換反応では極めて高い選択性を発現することに成功しており、生物活性物質:プレクラモール、医薬品:バクロフェンの触媒的不斉合成へと応用している。また、Pd以外の金属に着目した反応としては、Irを用いる反応において良好な結果を得るに至っている。
|