研究課題/領域番号 |
16790008
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
棚谷 綾 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (40361654)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | アミド結合 / 芳香族化合物 / 立体構造 / 分子スイッチ / 溶媒効果 / プロトネーション |
研究概要 |
分子の三次元構造は生理活性物質や超分子形成など、その分子の物性や機能を発揮する上で重要な要素の1つであり、これら機能性分子のデザインには立体構造を制御した分子構築が必須である。申請者は「N-メチル化による芳香族アミドのシス型優先性」という立体特性を見いだしており、芳香族分子構築に有用な部分構造であることを示してきた。本研究では、芳香族アミドの立体特性を用いた芳香族分子構築を更に発展させて、外的環境(溶媒、pH、熱など)によって立体構造を変化させる分子を設計、合成した。 本年度は、昨年度の酸化還元によるアミド結合の立体転換が起こる化合物の構築に加え、溶媒選択的に異なる立体をとる化合物の合成および解析を行った。N-ヒドロキシベンズアニリドはメチレンクロライドから再結晶すると、二つの芳香環が向かい合ったコンフォメーションで晶出するが、アセトンから再結晶すると二つの芳香環が反対を向いたコンフォメーションで晶出した。これらはそれぞれの溶液中でも各結晶構造と同じコンフォマーを優先していた。また熱分析を行うことによりアセトン中から得られる結晶は113度付近で相転移を起こし、メチレンクロライドから得られる結晶へと転換することが明らかとなった。これらの結果は溶媒依存的な分子スイッチへの展開の可能性を示している。 一方、アミドの関連化合物と位置づけるグアニジンを持つ天然物の合成に成功し、その標的蛋白の同定に向けての知見を得た。
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