研究課題
若手研究(B)
ヒト脳血管毛細血管内皮、及び皮膚毛細血管内皮細胞を用いて低酸素刺激を加えることによる遺伝子変動を全ゲノムが網羅されたマイクロアレイを用いて包括的に追跡したところ、脳血管内皮で特異的に誘導されるものは88遺伝子存在し、脳ダメージに応答するRas induced senescence-1やERストレス応答性遺伝子が顕著に認められた。一方皮膚血管内皮選択的な誘導遺伝子は150存在し、PAI-1やPDGFが含まれた。これに対し、両内皮で共通に誘導される遺伝子は少数であり(34遺伝子)、その中に血管新生を強く誘起するVEGFやAngiopoietin-like 4が存在することが特徴的であった。このことから低酸素応答性においても内皮多様性が存在していることが示唆された。また低酸素後、常酸素下に2時間戻すことにより、急性期応答因子であるEgr-1,AP-1を除きほとんどの遺伝子の誘導がベースラインにまで下降することから、低酸素応答の多くが、代謝回転の速いHIF-1/2によって制御される可能性が示唆された。また皮膚毛細血管ではSTAT6の発現が低く、そのことがIL-4応答性が他臓器血管内皮(臍帯静脈、冠状動脈、肺動脈)に比べ乏しい一つの原因になっていることが、炎症に深く関わるVCAM-1遺伝子の誘導をマーカーとして追跡することにより明らかとなった。このことをin vivoで確認するため、マウスのVCAM-1 promoter 3kb,8kbの下流にlacZマーカーを繋いだコンストラクトをHprt-locusに組み込んだ組み換えES細胞を単離し、これらのTargetedトランスジェニックマウスの作製に着手した。現在chimeraマウスの状態であるが、今後LPSやVEGF刺激後、どの臓器血管内皮により強くVCAM-1が誘導されるのか、又それがpromoter上のどこに起因するのか明らかになると思われる。
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