研究課題/領域番号 |
16790074
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 国立医薬品食品衛生研究所 |
研究代表者 |
中村 亮介 国立医薬品食品衛生研究所, 機能生化学部, 主任研究官 (50333357)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | マスト細胞 / シグナル伝達 / 抑制制御分子 / SLAP / CISH / デキサメタゾン |
研究概要 |
本研究は、シグナル伝達の抑制制御分子の発現制御システムを用い、アレルギー反応において重要な役割を果たしているマスト細胞のIgE受容体を介するシグナル伝達を詳細に解析しようというものであった。申請者は、特に抑制制御分子SLAP (Src-like adaptor protein)およびCISH (cytokine-inducible SH2 containing protein)に着目し、RNA干渉法を用いてこれらの分子の発現制御システムを構築し、マスト細胞の活性化を解析しようと試みた。まず、申請者はRT-PCR、5'/3'-RACE法によりラットSLAPの完全長cDNAを単離することに成功した。その結果、ラットSLAP cDNAは846塩基から成り、ヒトおよびマウスのオルソログとアミノ酸配列にしてそれぞれ86%および94%の相同性があることが分かった。これを基にラットSLAPのC末端側の14残基のペプチド(RKSSLFSAPQYFED)に対するウサギ抗血清を作製し、RNA干渉法によるSLAPタンパク質の発現解析を行なったところ、本実験系に用いたラット培養マスト細胞株RBL-2H3細胞は、siRNA (short interference RNA)の導入効率が悪く、当初想定していたほどのタンパク質レベルの発現ノックダウン効果が得られないことがわかった。そこで、発現解析に関してはmRNAの網羅的発現解析を行なうことにした。その結果、SLAPはマスト細胞の抗原による高親和性IgE受容体の架橋シグナルによりその発現が誘導され、刺激から3時間後に発現のピークを迎えることが分かった。一方、サイトカインシグナルの抑制制御分子であるCISHの発現は12時間後にピークを迎え、両抑制制御分子は、マスト細胞活性化の異なるステージにおいてアレルギー反応の抑制に関与する可能性が示唆された。
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