研究課題/領域番号 |
16790077
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
斉藤 恭子 (齋藤 恭子) 国立感染症研究所, 細胞化学部, 主任研究官 (70235034)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | プラス鎖RNAウィルス / 脂質 / ウィルス複製 / シンドビスウィルス / ホスファチジルセリン / ウィルス / 複製 / 転写 / 生体膜 |
研究概要 |
プラス鎖RNAウィルスのレプリカーゼによるRNA合成は、感染特異的に宿主細胞内の膜に形成される複製複合体で起こる。しかし、複製複合体形成の仕組みや膜脂質の役割、並びにRNA合成が膜上で行われる意義についてはよくわかっていない。本研究では、シンドビスウィルス(以下SINV)のゲノム複製と転写に関わる脂質の候補を探索し、その機能についての手がかりを得ることを目的としている。 私はこれまでにCHO細胞の膜脂質ホスファチジルセリン(以下PS)合成変異株とレポーター遺伝子を組み込んだSINVレプリコンを利用して、SINVレプリカーゼによるレポーター遺伝子発現が、細胞のPS含量の低下により阻害されることを見いだした。一方、レポーターmRNA合成には阻害が認められなかったことから、レプリカーゼによりRNAが合成された後、翻訳されるまでの過程にPSが必要であることが示唆された。この現象が本来の構造遺伝子の発現でも見られるかを調べるために、PS合成変異株に上記のレプリコンとともに、ウィルスの構造遺伝子をコードするヘルパーRNAを導入し、構造蛋白質の産生に対するPS含量低下の影響を調べた。その結果、PS含量低下細胞では、構造蛋白質の一つであるキャプシド蛋白質の産生が約40%に低下していた。従って、本来の構造遺伝子発現においてもPSが関与することが示唆された。 細胞のPS含量の低下がSINVのRNA複製複合体形成に及ぼす影響を調べるための予備実験として、CHO-K1(野性株)細胞を用いて電子顕微鏡による複製複合体の観察を行った。その結果、SINV感染後2-4時間で複製複合体の形成が起こることがわかった。現在、PS変異株におけるRNA複製複合体の形成を解析を進めている。
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