研究課題/領域番号 |
16790082
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
創薬化学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
藤原 伸一 鳥取大学, 医学部, 助手 (00362880)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | ヒト血清アルブミン / 構造活性相関 / 分子動力学 / ドッキングシミュレーション |
研究概要 |
1.ヒト血清アルブミン(HSA)の脂肪酸結合状態に関する分子動力学的検討 脂肪酸が結合した状態(PDBID:1BJ5)と結合していない状態(PDBID:1AO6)のHSAについて、それぞれ10nsの分子動力学(MD)計算を実行し、両者を比較した。いずれの場合も、2ns以降でX線結晶構造からのずれおよび回転半径は一定となった。HSAの薬物結合部位(特にSite I)では他部位に比べてアミノ酸残基の揺らぎが非常に小さく、また、脂肪酸結合による揺らぎの変化は見られなかった。トラジェクトリデータの主成分分析により、HSA分子全体の運動が脂肪酸結合により大きく変化していることが観察された。また、脂肪酸の結合によりHSAの立体配置エントロピーは減少しており、立体配置エントロピー変化の観点から、HSAに脂肪酸5分子が結合した状態は生体内では起こりにくいことが推察された。 2.HSA-薬物結合状態モデルに基づく薬物のHSA結合親和性予測 本研究では、薬物、HSA双方の立体構造情報を活用してHSA-薬物結合状態モデルを構築し、薬物結合親和性の精密な議論を試みた。HSA-warfarin複合体の立体構造(PDBID:1H9Z)を出発点として5nsのMD計算を実行し、5ns時点でのHSAに対して12薬物のドッキングシミュレーションを実行した。得られたHSA-薬物複合体に対して2.5nsのMD計算を実行し、HSA-薬物結合状態モデルを構築した。トラジェクトリデータからMM-PBSA法により各種エネルギー成分を算出した。各種パラメータと結合定数との相関解析において、結合自由エネルギーでは相関が低かったが、溶媒和エネルギーの非極性項(ΔG_<SA>)では良好な相関が見られた。さらに、リガンド分子の揺らぎの程度を調べることにより、ΔG_<SA>では相関の低い化合物群の判別が可能となった。
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