研究課題/領域番号 |
16790089
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境系薬学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
宇野 茂之 日本大学, 医学部, 講師 (90307851)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | cytochrom P450 / CYP1A1 / CYP1A2 / CYP1B1 / ベンゾ[a]ビレン / ベンゾ〔a〕ピレン / cvtochrom P450 / ベンゾ[a]ピレン |
研究概要 |
本研究は、生体異物代謝系においてCYP1ファミリー酵素が代謝活1生化を誘導する危険因子であるのか?という疑問を明らかにすることを目的とした。 1.生体異物代謝系におけるCyp1ファミリー酵素の役割 Cyp1a1、Cyp1a2、及びCyp1b1遺伝子欠損マウス、さらにCyp1a1/1a2、Cypa1/1b1、Cyp1a2,/1b1ダブル遺伝子欠損マウスにBaPを経口投与し検討を行った結果、肝臓と小腸において誘導されるCYP1A1がBaPの代謝活性化ではなく、むしろ解毒に重要であることが明らかになった。一方、脾臓や骨髄におけるCYP1B1は、CYP1A1非存在下でBaPの代謝活性化を引き起こし、免疫系の障害をもたらした。また、CYP1A2はBaPの解毒、代謝活性化に何ら関与しなかった。また、BaP誘導性胎児毒性においても母体および胎盤で誘導されるCYP1A1が胎児への生体異物暴露の抑制に重要な役割を果たしていることが明らかになった。しかしながら、非生理条件下の多量BaP投与の結果は、CYP1A1で解毒できなかったBaPが代謝活性化されることを示唆していた。 2.ヒトCYP1A1の生体異物代謝系への関与 種差によってCYPの基質特異性が異なると報告があることから、Cyp1a1/1a2ダブル遺伝子欠損マウスにヒトCYP1A1/1A2遺伝子を導入したヒューマナイズCYP1Aトランズジェニックマウスを作製し、解析を行った。ヒトCYP1トランズジェニックマウスはCyp1a1遺伝子欠損マウスでみられた毒性が抑制されていたことから、ヒトCYP1A1もBaPの解毒に重要な役割を果たしていることが明らかになった。 これまでCYP1A1がBaPの代謝活性化を引き起こすことによると理解されてきたが、本研究結果は、CYP1A1はBaPの代謝活性よりもむしろ解毒に重要であることを明らかにした。
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