研究課題/領域番号 |
16790113
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医療系薬学
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研究機関 | 星薬科大学 |
研究代表者 |
服部 喜之 星薬科大学, 医薬品化学研究所, 講師 (90350222)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 前立腺癌 / 遺伝子治療 / 抗癌治療 / 脂質微粒子製剤 / 遺伝子ベクター / 葉酸 / 葉酸レセプター / チミジンキナーゼ |
研究概要 |
多くの癌細胞においては、葉酸受容体が過剰発現し、葉酸の取り込みが高いことが報告されている。昨年度、3級アミンを有する正電荷コレステロール脂質3([N-(N',N'-dimethylaminoethane)-carbamoyl]cholesterol(DC-Chol)を主成分とした葉酸修飾脂質微粒子遺伝子ベクターを調製し、葉酸受容体を過剰発現している癌細胞へ選択的に遺伝子導入できることを明らかにした。今年度は、さらに癌細胞での高い遺伝子発現を誘導するために、2級アミンを有する正電荷コレステロール脂質cholesteryl-3β-carboxyamidoethylene-N-hydroxylamine(OH-Chol)を用いて葉酸修飾微粒子遺伝子ベクターを調製し、癌細胞への遺伝子導入効率を評価した。そして、OH-Cholを用いて調製した遺伝子ベクターは、前立腺癌細胞にDC-Cholを用いたものより10倍以上高い遺伝子導入効率を示すことを見出した。また前立腺癌特異的に遺伝子発現を誘導させる治療用遺伝子を調製するために、前立腺癌患者から抽出したRNAサンプルを用いて、前立腺癌特異的に発現する遺伝子を検索したところ、ミッドカイン(Mk)や前立腺特異的膜抗原(PSMA)の高い遺伝子発現が定量PCR法により確認できた。そこで、MkやPSMAのプロモーター配列の下流にヘルペスウイルス由来のチミジンキナーゼ(HSV-tk)遺伝子を挿入した治療用遺伝子を調製した。そして前立腺癌培養細胞(LNCaP、PC-3細胞)及び担癌マウスに、葉酸修飾脂質微粒子ベクターを用いて治療用遺伝子を送達させ、自殺遺伝子治療を行ったところ、前立腺癌特異的に高い細胞死を誘導させることが出来た。前立腺癌特異的プロモーターを利用した治療用遺伝子と葉酸修飾脂質微粒子遺伝子ベクターを用いた前立腺癌治療により、選択的且つ高効率に癌細胞を死滅させることに成功した。
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