研究課題/領域番号 |
16790121
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
福島 菜奈恵 信州大学, 医学部, 助手 (90334888)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 哺乳 / 新生児ラット / 舌下神経 / 顔面神経 / 神経切除 |
研究概要 |
これまでの切除実験の結果から、哺乳には舌下神経の支配(舌の運動)が必須であり、新生児期に両側の舌下神経を切除すると生存できないことがわかった。そこで本年度は、舌下神経の片側切除による哺乳への影響を哺乳量で評価する実験を行った。P1の新生児ラットの舌下神経本幹・内側枝・外側枝を手術顕微鏡下で片側切除し、P4、7、14において哺乳量を測定した。また、すでに哺乳に必須ではないことがわかっている顔面神経の両側・片側切除動物も作成し、同様に評価した。 実験の結果、生存率は片側舌下神経切除では38%(本幹)・24%(内側枝)・92%(外側枝)、顔面神経切除では両側・片側ともに100%であった。P4における生存動物の哺乳量は対照群を100%とすると、片側舌下神経切除では30%(本幹)・36%(内側枝)・73%(外側枝)、顔面神経切除では81%(両側)・88%(片側)であった。P7における哺乳量は、片側舌下神経切除で52%(本幹)・71%(内側枝)・83%(外側枝)、顔面神経切除では83%(両側)・89%(片側)であった。P14における哺乳量は、片側舌下神経切除で60%(本幹)・72%(内側枝)・89%(外側枝)、顔面神経切除では77%(両側)・93%(片側)であった。 舌下神経の内側枝には舌を突き出す作用、外側枝には舌を引っ込める作用がある。切除実験における生存率から、外側枝より内側枝の働きが哺乳には重要であることがわかったが、実際に哺乳量を測定した結果、切除部位による影響度の違いが具体的に明らかになった。また、顔面神経が哺乳には必須ではないことが哺乳量からも確認された。さらに、生存が可能な動物では、哺乳量が成長とともに対照群の値に近づくような傾向が確認され、代償作用が働いている可能性が示唆された。
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