研究課題/領域番号 |
16790136
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
藤井 重元 香川大学, 医学部, 助手 (00325333)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2004年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | MCP-1 / NADPHオキシダーゼ / 高血圧 / 活性酸素 / 過酸化水素 / 腎障害 / マクロファージ |
研究概要 |
昨年度の研究において、食塩感受性高血圧モデルであるダール食塩感受性(DS)ラットの腎臓では、高食塩負荷後に活性酸素産生酵素であるNADPHオキシダーゼの発現上昇に伴って、MCP-1の発現が増加することを明らかにした。このMCP-1の発現増加はチオール含有抗酸化剤N-アセチルシステインの投与により抑制されることから、活性酸素(過酸化水素)がMCP-1の発現に関与していると考えられた。本年度は、MCP-1発現の食塩負荷後の経時変化を調べ、血圧の上昇および蛋白尿とMCP-1産生との関連について検討した。血圧および尿中蛋白排泄量は、高食塩負荷開始後4週目まで時間とともに増加したが、尿中MCP-1排泄量と過酸化水素排泄量は、共に食塩負荷開始後1週目で10倍以上増加し、4週目まで高レベルを維持した。また同様に、腎皮質におけるMCP-1 mRNAの発現も1週目から顕著な増加が観察された。一方、食塩抵抗性であるSprague Dawleyラットでは、食塩負荷後の尿中MCP-1排泄量の増加、腎皮質におけるMCP-1 mRNAの発現上昇は観察されず、血圧の上昇も見られなかった。これらの結果から、DSラットで観察される食塩負荷後のMCP-1発現増加は、血圧の上昇や蛋白尿により惹起されたものではなく、酸化ストレスに付随していることが強く示唆された。さらに、食塩負荷後早期における活性酸素とMCP-1発現の増加は、DSラットの高血圧および腎障害の進展における酸化ストレスとMCP-1の関与を示唆するものと考えられた。活性酸素(過酸化水素)がMCP-1の発現を誘導する機序については、レドックス感受性の転写因子であるAP-1やNFkBの関与が考えられるが、これら転写因子の活性動態については更なる検討を要する。
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