研究課題/領域番号 |
16790161
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
大日方 英 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助手 (50332557)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | オーファン受容体 / GPCR / 酸化ストレス / 生理活性脂質 |
研究概要 |
オーファン受容体の新規脂溶性リガンドのスクリーニングを行う過程で、G2Aと名付けられたオーファン受容体が、リノール酸の酸化代謝物である9-ヒドロキシオクタデカジエン酸(9-HODE)をはじめとする、いくつかの遊離酸化脂肪酸により活性化されることを見いだした。この受容体のシグナル経路と表皮における生理作用について検討を行い、以下のことを明らかにした。 1.ヒトG2Aを過剰発現させたCHO細胞において、9-HODEの濃度依存的に細胞内カルシウム濃度の上昇、cAMPの産生抑制、GTPγS結合活性の増加、およびJNKの活性化が観察された。リノール酸およびアラキドン酸由来の様々な酸化代謝物を用いて、G2Aのリガンド特異性を細胞内カルシウム濃度上昇反応により検討したところ、9-HODEおよび11-ヒドロキシエイコサテトラエン酸が最も強い活性を示した。一方、9-HODEのコレステロール結合体や酸化処理したホスファチジルコリンはほとんど活性を示さず、G2Aは遊離の酸化脂肪酸をよいリガンドとすることが示唆された。 2.ヒト表皮角化細胞にはG2Aが発現しており、9-HODE刺激により細胞内カルシウム濃度の上昇、細胞増殖の抑制、サイトカイン類の産生などが観察された。また、表皮角化細胞に酸化刺激を加えるとG2Aの発現上昇が、リノール酸に酸化刺激を加えると9-HODEの産生が観察された。 リノール酸は、細胞膜や低密度リポタンパクの主要な構成成分であり、紫外線などの酸化刺激により容易にG2Aのリガンドである9-HODEに変換され得ることが示された。また、G2Aは表皮において酸化ストレスに応じて発現が誘導され、9-HODEなどの酸化脂肪酸の受容体として機能することが明らかになった。 本研究では、G2Aの新たなリガンドを同定するとともに、表皮におけるG2Aの生理機能を解明するという成果を得た。
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