研究課題/領域番号 |
16790189
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
岡本 安雄 香川大学, 医学部, 助手 (80293877)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | N-アシルエタノールアミン / N-アシルホスファチジルエタノールアミン / アナンダミド / エンドカンナビノイド / ホスホリパーゼD |
研究概要 |
エンドカンナビノイドとして知られるアナンダミドが膜リン脂質のホスファチジルエタノールアミン(PE)からN-アシルPE(NAPE)を経て作られることは知られていたが、反応に関与する酵素の実体はこれまで不明であった。昨年度の研究では、生合成経路の二番目の反応を触媒するNAPE-PLDのcDNAクローニングに成功し、本酵素が既知のPLDとは構造的にも機能的にも異なる新規酵素であることを明らかにした。 本年度の研究では、以下の点を明らかにした。 1.ラット脳を用いて、NAPE-PLDの脳内分布を検討した。同酵素は視床をはじめとする広範な部位で検出された。酵素活性の強さとmRNAおよび蛋白レベルの発現量が似たような傾向を示したことから、脳におけるアナンダミドの生成にNAPE-PLDが中心的な役割を担っていることを示唆された。2.マウス子宮で着床の部位や時期におけるアナンダミドのレベルがNAPE-PLD活性およびNAPE-PLDのmRNA発現レベルと相関することから、NAPE-PLDが着床において重要な役割を担っていることが示唆された。3.組換え型NAPE-PLDを大腸菌で大量発現し、高度に精製した。精製酵素を用いた実験から、NAPE-PLDは恒常的に活性型であり,膜に局在する本酵素が膜の主要なリン脂質を分解することなく、もっぱらNAPEを基質としてNAEを生成することが示唆された。4.アミノ酸配列のホモロジー検索から、NAPE-PLDがmetallo-β-lactamase familyに分類される。このfamilyに属する他の酵素との間で高度に保存されているヒスチジンおよびアスパラギン酸残基の変異体を用いた実験から、これらのアミノ酸残基が触媒活性発現に重要であり、同酵素がmetallo-β-lactamase familyに属する他の酵素と類似な触媒機構を有することが明らかになった。
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