研究課題/領域番号 |
16790197
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人類遺伝学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
木下 晃 長崎大, 医歯(薬)学総合研究科, 助手 (60372778)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | TGF-beta1 / Camurati-Engelmann病 / モデルマウス / キメラマウス / 顕微受精 / TGF2型受容体 / Marfan症候群 / ジーンターゲテイング法 |
研究概要 |
報告者はTGF-beta1遺伝子のミスセンス変異によって、長管骨や頭蓋骨の過剰な膜性骨化を特徴とする遺伝性骨系統疾患Camurati-Engelmann病(CED)が引き起こされることを報告した(Nature Genetics,2000)。また生化学的な解析からミスセンス変異によりTGF-beta1が常に活性化された状態にあることもわかったが、TGFシグナル系は非常に複雑で、より詳細な研究には遺伝子を改変したモデルマウスの作製が必要となった。まず報告者はCED患者に最も高頻度なR218C変異をジーンターゲテイング法で導入した相同組換ES細胞を4クローンを得た。しかしこれらのES細胞由来のキメラマウスはすべて不妊、もしくは野生型のみを産むものであった。これを克服するために4匹のキメラマウスを用いて顕微授精を試みた。精巣が無かったりや雌雄同体の2個体を除き、精子に奇形があり遊走能が落ちている2個体由来の精子を顕微受精させたがヘテロマウスは得ることはできなかった。解決策として新しいジーンターゲテイングベクターを作製し、相同組換ES細胞を選択中である。 また報告者を含むグループは、TGF2型受容体遺伝子の変異でTGFシグナルが減弱することが原因でMarfan症候群(MFS)が発症することを証明した(Nature Genetics,2004)。CEDもMFS様体形を示すが、CEDでは骨量が増加をするのに対し、MFSでは一般に骨量が低下する。この表現形の差を説明し、骨形成におけるTGFシグナル系の役割を解明するためにMFSモデルマウスの作製を始めた。MFS患者で見られたS449F変異とR537C変異を導入するためのジーンターゲテイングベクターを作製し、S449F変異が導入された相同組換ES細胞をすでに単離しており、キメラマウスの作製準備中である。
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