研究課題/領域番号 |
16790245
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
寄生虫学(含衛生動物学)
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
浜野 真二郎 (濱野 真二郎) 九大, 医学(系)研究科(研究院), 助手 (70294915)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
|
キーワード | WSX-1 / Trypanosoma cruzi / 炎症性サイトカイン / IL-27 / SOCS3 / 免疫制御 |
研究概要 |
WSX-1欠損マウスにTrypanosoma cruziを感染させたところ、野生型と比較して原虫血症の遷延ならびに高い死亡率が認められた。この感染抵抗性の減弱は、予想されたTh1反応の減弱によるものではなく、感染後の肝臓の広範なネクローシスとそれにともなう肝機能障害によるものと考えられた。さらにWSX-1欠損マウスでは、感染後に、血清中、あるいは肝浸潤リンパ球によるIFN-γ、IL-5、6、tumor necrosis factor(TNF)-αなど一群の炎症性サイトカインの過剰産生が認められ、特にIFN-γやTNF-αの過剰産生が致死的な肝障害を引き起こしていることが明らかとなった。また、CD4陽性細胞、マクロファージ、NKT細胞などさまざまな細胞においてこの炎症性サイトカインの過剰産生が確認されている。またin vitroのT.cruzi感染においてもWSX-1欠損マクロファージは過剰のTNF-α産生を示し、LPSで刺激した野生型マクロファージからのTNF-α産生はIL-27との培養で抑制された。これらの結果は、WSX-1が炎症性サイトカインの産生を抑制し細胞の過剰な活性化を防ぐ"免疫制御"作用を有することを示唆している。WSX-1(IL-27受容体)による炎症性サイトカインの産生抑制作用の分子機構は現在明らかとされていない。いずれの実験系においても、IL-10の産生は野生型と同程度に認められており、抑制性サイトカインIL-10の関与はないものと思われる。WSX-1とgp130からなるIL-27受容体の下流ではSTAT1、3、5に加えてsuppressor of cytokine signaling(SOCS)1やSOCS3が誘導されおり、SOCSを介した細胞の過剰活性制御機構の関与が示唆された。
|